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春をつげる兆し

ガソリン ガソリン ガソリン。
ここ仙台では人が集う場には必ずといっていいほどガソリンの話題に挙がる。
あとメーターはどれほどか。
半日並んだ、いや前の晩からだ。
10リッターのガソリンを求めて長蛇の列に並ぶのである。


先週、宮城県の村井知事が県内で深刻化する燃料不足について、
1週間程度で供給が安定し解消に向かうという見通しを示したが、
震災から2週間を過ぎて、いまだに燃料の供給は十分ではない。
今朝もわが家の前では車の列が連なっているのが見える。
場所取りの無人の車両も多いが、厚い防寒着に身を包んで車中で待つ人もいる。
閉店と張り紙されたスタンドに長蛇の列が連なっている。
モータリゼーション。
いまや生活のために車は不可欠の道具であり、
持病をかかえる人にとっては生命線をつなぐ道具ともいえる。
皆がガソリンのメーターの残量に神経をとがらせている。
一方、ガソリンを求めて道路をふさぐ車両は、
近隣で生活する人にとって迷惑以外の何者でもない。
こういう事態なので、警察も黙認の状況で取り締まりは見られない。
先日こんなことがあった。
食料品を求めて量販店に買い物に行った。
混雑すると聞いていたので開店前に行ったのだが、
すでに店の周りを車列がぐるりと取り囲んでいた。
道路の半分を車が占めている。
対向車両を回避するため、やむを得ずその列の切れ目に車を入れると、
すぐに後ろから男性二人がやってきた。
「横はいりをするな」、という。
この車列は、少し離れた場所にあるガソリンスタンドの車列だった。
長蛇の列で言い争いをする人もいるようだ。
心に余裕が持てない状況になっている。
もうしばらくすると状況は改善するかもしれない。
しかしその改善される状況はいつになったら訪れるのか、
プロセスが見えないから余計に不安になる。
停電、断水は徐々に解消されているが、ガスの供給は依然止まったままだ。
風呂に入れない日々が続く。
テレビのデータ放送で、県内そして近県の入浴情報が公表されているが、
ガソリンがないため、温泉や銭湯に足を伸ばすこともできない。
ある人は某入浴施設を利用するために、
早朝から並びかろうじて当日の整理券をゲットした。
ところがシャワー利用は時間限定で、
店側の見張り番が付く中での入浴。
裸の男たちがシャワーの順番を待っている状況だったという。
風呂の燃料が限られている中で、
多くの方に利用してもらうためにとられた方法だったのだと思うが、
これでは映画などでみる受刑者の入浴シーンではないか。
避難所で暮らす女性へのインタビューが放送されていた。
いま何が必要かの問いに、女性は「お風呂に入りたい」と応えていた。
避難所で暮らす知人によると、十分でない環境にストレスがたまる一方だという。
ライフラインが遮断される状況に身を置いてみて、
テレビに映るキャスターのサラサラヘアーに目がいくようになった。
テレビに映る大臣もまたサラサラヘアーだ。
不便な状況に身を置いて見ないと、人の痛みは記号としてしか認識できないことがある。
ただでさえ過酷な状況の中で、皆がんばっているわけだから、
マスコミには「いま何が必要か」などというとぼけた質問はしないで欲しい。
あなたの日常当たり前に利用している資源が使えない状況について考えてみて欲しい。
そして政府には支持率回復のパフォーマンスばかりに目をとらわれることなく
全力をあげて被災地の復旧に取り組んでもらいたい。
今日27日に宮城県の塩釜港に、
震災後1回の輸送量としては最も多い5000キロリットルの燃料を積んだタンカーが入港予定だという。
航路の障害を取り除く関係各位の撤去作業によって実現されることになったようだ。
3月になるというのに寒い朝が続く。
寒さが続く被災地の体調管理も気にかかる。
東北の人は、3月の寒さはもうすぐ到来する春をつげるものであることを知っている。
このタンカーが衣食住など生存の欲求を改善するための輸送手段の確保、
過酷な状況から復興を目指すための燃料の需給改善につながればと願っている。
がんばるために先ず必要な前提として満たすべき条件があるのだ。
いまの寒さがこれから訪れる春をつげるシグナルであると信じたい。

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コメント

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  • コメント (2)

    • マチスケ
    • 2011年 3月 27日

    地震以降注文を停止していたAMAZONでは、3月27日12時から宮城、岩手、福島の一部地域へ注文受付がようやく再開された。徐々に物流網も整ってきている。

    • マチスケ
    • 2011年 3月 28日

    3/28 今朝の宮城県沖地震、結構ゆれが大きかった。マグニチュード6.5だという。先の地震の余震だというが、30年周期の宮城県沖地震はどうなった?

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