一段と冬の到来を感じさせる日、
冬物のコートを引っ張り出してライブに出かけてきた。
『ソウル・ボーイへの伝言』
現在、佐野元春がコヨーテバンドと共に、
30周年アニバーサリー・ツアーを展開している。
2007年にリリースされたCOYOTEアルバムのライブを見逃していたので、
仙台でふたたび演奏を聞く機会に恵まれたのはとてもラッキーだった。
客層はナイスミドル、ナイスミディが中心。
会場の入り口にできた行列が、ある種の雰囲気を醸し出していたと思う。
ライブでは、コヨーテバンドの楽曲の他、
来年1月にリリースされる新しいアレンジのセルフカバー曲があったり、
後半ではファンにはお約束とも言える往年の名曲を含むセットリスト。
ところで、佐野元春について語られる時、
「昔に比べ声が出なくなった」と話題にのぼることがある。
私の後ろに陣取ったサラリーマン組もそういう話をしていた。
これは昔から聞いていたファンはそう感じる人も少なくないと思う。
それが、若い頃からのボーカルスタイルによるダメージなのか、年齢によるものなのかはわからない。
どのアーティストにとっても、加齢に伴う声域が限られてくることは、
いわば”宿命”のようなものであり、それにどう向き合うかが課題になってくる。
この向き合い方によって、次のステージへシフトできるかどうか、
アーティストの成長曲線の描き方が異なってくるのだと思う。
今のライブに昔の佐野元春のパフォーマンスを期待するなら
ベスト盤を聞いていればよい。
私は直近のオリジナルアルバムを最近よく聞いています。
楽曲の一つ一つ、いまの声のかすれ具合も含めて心地良く響く。
歌い方や表現の仕方は変わっていくのは当然であり、
経験というスパイスが奥行きを与えてくれるのだと思う。
常に日本のロックシーンの先頭を走り続けてきた佐野元春も50代半ばになる。
永ちゃんは還暦?ミックジャガーは70代?
今年逝去した忌野清志郎にはアルバムでしか会えないが、
佐野元春にはこれからも音楽シーンをリードしてもらいたい。
これからもライブがあれば顔を出し続けたい。
最近、オリジナルアルバムをリリースする間隔が長く空いてきているが、
本人の納得できるものを作って、いい意味でファンを驚かせて欲しい。
来年リリースされるセルフカバーアルバムを
「今の自分の気持ちを、今の声で届けたい」と言っていたが、
ライブで曲を聴く限り、時代に合わせた新しい曲として登場させるような感じを受けた。
ファンとして、単なる楽曲の寄せ集めでない、
今の佐野元春が伝わってくるようなアルバムを期待したい。
来年1月のホールツアーも楽しみにしている。
2010年11月10日(水) 仙台・darwin
全国クラブ・サーキット・ツアー『ソウル・ボーイへの伝言』
佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド