大成功や大失敗だけが人生における体験ではない。
平穏な日々の中でも、心の持ち方いかんでは、大いに体験を積むことができる。
(松下 幸之助)
昨日、「それでも運命は変えられる」についてご紹介しました。
逆境をはねのけたエピソード、実体験に裏打ちされた話しは非常に説得力がありますね。
危機的状況に直面して進むべきルートを踏み外してしまう人がいる一方で、
たぐいまれなる精神力と行動力によってそれをチャンスに変えてしまうあたりが、
世界のYAZAWAと言わしめる彼の非凡さを裏打ちしているのだと思います。
さて、大成功や大失敗が人間的に深化(進化)のきっかけになることは、
多くの先人の実例でも明らかになっていることですが、
何気なく過ごしている私たちの日常にも成長の場というものが用意されています。
松下幸之助氏は、『体験を通してはじめてものの本質をつかみ、理解することができる』ことが
世の中に少なくないとした上で、平穏な日常の中にも、心の持ち方次第で様々な体験を積む場となるとして、
『小さな成功と小さな失敗から成り立っている仕事の一つ一つをよく味わう』ことの大切さを説いています。
『小さな目にも見えない平穏無事の中の体験は、いわば心の体験とでもいうべきものでしょう。
かたちに現れた成功や失敗の体験だけでなく、この心の体験を日々重ねていくことが、
特に変化の激しい時代に生きる私たちには、きわめて大切なのではないでしょうか。』
成熟化した時代にあっては、企業の競争環境もますます厳しいものになっていきます。
それはビジネスの場はもちろんのこと、個々人の日常生活も同様です。
「体験の積み方そのものが差別化要因になる」ということが、
この話しからもおわかりいただけるのではないでしょうか。
今年も残すところわずかになりました。1年が過ぎ去るのはあっという間です。
あなたのこの1年が糧になるか、ならないかは、
来年に向けてのこれからの体験の味わい方にあるのかもしれませんね。