和菓子の老舗「赤福」による赤福餅の偽装販売が問題になっています。
問題の全容が明るみになるにつれて、その呆れた経営の実態が見えてきます。
リーダーにとって最も重要な仕事は、危機の到来を予期することである。
回避するためでなく備えるためである。
暴風雨を予期し、先手を打たなければならない。それがイノベーションである。
(P.F.ドラッカー)
赤福餅の偽装問題、「食の安全、安心を確保する対策が徹底できていなかった」
こんなことを言って済まされる問題ではありません。
目先の利益を得るために、消費者をだました罪を償ってもらわなければなりません。
私が初めて赤福餅を食べたのは高校生の修学旅行です。
また、ボーイスカウト時代、夏に伊勢の全国大会に参加した時、
はじめて食べた「冷やし赤福餅」は涼味があって上品で素敵な味でした。
それから約ウン十年が経過し、この事件です。
当時、私が感じたあの感情、あれも偽装されたものだったんですかね?
不二家、白い恋人、ミートホープ・・次々明るみに出る食品メーカーによる消費者だまし。
長期的な利益がどうなるか危機の到来をイマジネーションできない企業、プライドのかけらも見られません。
真面目に商売を行ってきた地元観光企業への影響も計り知れないものがあるでしょう。
今日、私が訪問した地元の食品メーカーもこの事件による影響を少なからず受けています。
経営者は社内にいる時間が持てません。
社外の会議が増え、提出資料の作成など、直接業務以外のいわゆる雑用が増えています。
これまでならクレームにならないような消費者からの問い合わせもあるそうです。
経営者が本業に時間を投入できないわけですから、これは明らかに外部環境の「脅威」です。
企業は、経営環境の中で、既存事業の成長と新規事業の開発に貢献する「機会」と、
成長を阻害し既存事業を低迷させる「脅威」について分析し、事業機会を確実にとらえる必要があります。
またか、の赤福偽装問題により、消費者の見る目がますます厳しくなっている。
この環境変化は企業にとって脅威ですが、逆に機会と見ることもできます。
機会と脅威には二面性がありますから、この事実をどうとらえるかによってその視点も変わるのです。
こういった脅威に直面したときは、「機会」にできないだろうかと問う姿勢が大切です。
これまでクオリティの高い原材料、製法にこだわって品質管理を徹底した会社にとっては、
消費者の圧倒的な支持を得て、自社のブランドを飛躍させるチャンスです。
イノベーションを実現するには、危機についてのイマジネーションが原動力になります。
さて、あなたの会社ではいかがでしょうか?