コラム

優秀な管理職しか成果を出せない組織が、いつまでも伸びない本当の理由

優秀な管理職しか成果を出せない組織が、いつまでも伸びない本当の理由

優秀な管理職しか成果を出せない組織が、いつまでも伸びない本当の理由

目次
1.「優秀な管理職しか成果を出せない」
2.成果の差は「能力差」ではない
3.「最低限の型」を揃えるという発想
4.定着させる鍵は「仕組み」
5.個人依存から、組織の再現性へ

 

 1.「優秀な管理職しか成果を出せない」そう思っていませんか?

「成果が出るのは、優秀な管理職がいるチームだけ」
多くの職場で、当たり前のように語られている前提です。

成果が出ている人は能力が高い。
成果が出ない人は経験や力量が足りない。
そう考えると、原因は分かりやすく見えます。

しかし、現場を丁寧に見ていくと、
この見方そのものが、組織の成長を止めているケースが少なくありません。

 

 2.成果の差は「能力差」ではない

成果が出ない理由を「個人の能力不足」と捉えると、
組織の打ち手は自然と偏ります。

・研修は一部の管理職だけ
・重要な仕事はできる人に集中
・結果として、特定の人に依存する構造が固定化される

一時的には成果が出ます。
しかし、人が抜けた瞬間に、組織は一気に不安定になります。

ここで見落とされがちなのが、
仕組みのばらつきです。

成果を出している管理職は、
特別な才能で動いているわけではありません。

判断の基準
部下との関わり方
任せ方
振り返りのやり方

これらが「自分なりの型」として整理されているだけです。

一方、成果が安定しない管理職は、
何が正解か分からないまま、その場対応を続けています。

違いは能力ではなく、
再現できる型を持っているかどうかです。

 

 3.「最低限の型」を揃えるという発想

すべての管理職を優秀にする必要はありません。
必要なのは、力量差を前提にしながらも、
最低限守るべき行動の型を揃えることです。

たとえば、仕事の任せ方。

成果を出す管理職は、無意識に次の三点を押さえています。

何を任せるのか
どこまでを任せるのか
困ったとき、いつ相談すればよいか

一方で、成果が安定しない管理職は、
「これお願い」「任せるよ」と伝えただけで進めてしまいます。

結果として、
部下は判断に迷い、
確認が遅れ、
ミスが大きくなってから表面化します。

ここで問うべきなのは、
誰が優秀か、ではありません。

任せ方に型があるかどうかです。

「任せるときは、目的・範囲・相談タイミングを必ずセットで伝える」
これが、育成マネジメントにおける最低限の型です。

特別な能力は要りません。
意識すれば、誰でも実行できます。

 

 4.定着させる鍵は「仕組み」

型は、作っただけでは根づきません。
研修で伝えても、忙しさの中で元に戻ります。

だから必要なのは、意識改革ではなく仕組みです。

仕事を任せたあと、必ず途中の確認ポイントを設ける。
そして、次の問いを毎回投げる。

「いま、どこまで進んでいますか」
「判断に迷っている点はどこですか」
「次の一手は何だと考えていますか」

例外をつくらず、繰り返す。
これが定着の仕組みです。

評価や指導ではありません。
確認の型を固定することがポイントです。

 

 5.個人依存から、組織の再現性へ

ここまで整うと、成果は個人の力量から切り離されます。

誰が管理職でも、
最低限の判断と行動が揃う。
だから、成果のブレが小さくなります。

「優秀な管理職しか成果を出せない組織」は、
人の問題ではありません。
仕組みを持っていないだけです。

育成マネジメントとは、
人を鍛えるための考え方ではなく、
成果が再現される条件を組織に埋め込む考え方です。

組織の底上げが、企業の持続的な成長をつくります。

 

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