コラム

情熱は才能に勝る──管理職が最初に整えるべきもの

情熱は才能に勝る

情熱は才能に勝る

【目次】
「才能があれば伸びる」という思い込み
人生は掛け算で決まる
育成マネジメントによる再定義
育成とは、何を伸ばすことか
人が育つ会社とは

 「才能があれば伸びる」という思い込み

「才能があれば、きっと成功する」
 
そう考える人も少なくありません。
私も、そう思った時期がありました。
 
能力が高い人は伸びる。
頭が良い人は成果を出す。
 
しかし、現場で多くの人と向き合う中で、違う現実を何度も見てきました。
 
能力が高くても、挑戦をやめてしまう人。
特別な才能があるわけではなくても、努力を続けて突き抜ける人。
 
その差を生んでいたのは、才能ではありません。
 
情熱でした。

 人生は掛け算で決まる

私の考えを決定づけたのは、稲盛和夫氏の言葉です。
 
人生や仕事の結果は、
「考え方 × 熱意 × 能力」の掛け算で決まる。
 
能力と熱意は0点から100点。
しかし考え方は、−100点から+100点まである。
 
能力が高くても、熱意が低ければ結果は小さい。
能力が普通でも、熱意が高ければ結果は大きくなる。
 
そして、考え方が間違えば、すべてはマイナスになる。
 
この式は、単なる理屈ではありません。
現場で見てきた事実そのものでした。

 育成マネジメントによる再定義

私はこの式を、育成マネジメントの視点でこう再定義します。
 
考え方=理念
熱意 =行動量
能力 =技術
 
成果 = 理念 × 行動量 × 技術
 
理念とは、「何のためにやるのか」という軸です。
ここが定まらなければ、努力は空回りします。
 
行動量とは、情熱の実体です。
学ぶ回数。任せる回数。挑戦する回数。
動いた総量が成果を押し上げます。
 
技術は、後からいくらでも伸ばせます。
教えられるし、磨けます。
 
しかし、理念が歪めばどうなるか。
 
行動量が多い人ほど、組織を誤った方向に導く。
技術が高い人ほど、間違った方向に影響力を強めてしまう。
 
だから最初に整えるのは、理念です。

 育成とは、何を伸ばすことか

育成というと、どうしても能力に目が向きます。
 
スキルを教える。
知識を増やす。
成果を出させる。
 
もちろん大切です。
 
しかし順番を間違えると、掛け算は機能しません。
 
理念を整え、
行動量を高め、
その上で技術を磨く。
 
この順番こそが、育成の本質です。
 
そして何より重要なのは、
管理職自身がこの式に立っているかどうかです。
 
自分の理念は明確か。
自分は行動しているか。
自分は学び続けているか。
 
部下は、上司の言葉より姿勢を見ています。

 人が育つ会社とは

才能はスタート地点にすぎません。
情熱は推進力です。
 
しかし情熱も、理念に支えられていなければ持続しません。
 
だから私は、育成マネジメントをこう考えています。
理念を軸に、行動量を高め、技術を磨く仕組みをつくること。
 
人が育つ会社とは、
才能を探す会社ではありません。

理念と行動を育てる会社です。

理念だけでも不十分。
行動だけでも不十分。

この二つが揃ったとき、人は大きく伸びる。

さて、今、
あなたの「理念 × 行動量 × 技術」は、何点でしょうか。
 
まず整えるのは、
チームの誰かではなく、自分自身です。
ここからすべてが始まります。

 

理念×行動=自律するチーム: 理念を行動に変える自律するチームの実践体系

理念が動けば、人が動く。人が動けば、組織は変わる。
本書は、20年以上にわたり中小企業の現場で人材育成を支援してきた経営コンサルタントが、経営者や管理職の悩みに真正面から応えた「理念浸透×行動変革」の実践ガイドです。

「理念はあるのに、現場が動かない」
「会議や朝礼で語っても、社員の反応が薄い」
「幹部との温度差があり、理念への想いが一人歩きしている気がする」

そんなもどかしさを抱える経営者へ。
理念を単なるスローガンに終わらせず、現場を動かす推進力へと変える。
そのための方程式がここにあります。

それが本書のタイトルに掲げた、『理念 × 行動 = 自律するチーム』 です。

Amazonでチェックする

情熱は才能に勝る|コラム著書

関連記事

  1. 停滞感を乗り越える処方箋

  2. 仙台商工会議所「飛翔 No.380」に寄稿(アーカイブ)

  3. 『がんばります』が口癖の人に足りないもの

  4. 責任を引き受けた瞬間から、人は成長を始める

  5. 管理者育成が会社の未来を決める!

  6. 「まだ切符なの?」に学ぶ、寄り添いで動く「育成マネジメント」

  7. 挑戦を続ける力

  8. 優秀な管理職しか成果を出せない組織が、いつまでも伸びない本当の理由

大場コンサルティングオフィス

宮城・仙台の経営コンサルタント(中小企業診断士)事務所|経営の「実行」を支えるパートナーとして計画から成果まで共に歩みます。

育成マネジメント投稿一覧

人が育つ職場づくりを専門とするコンサルタント・大場宣英が、X(旧Twitter)で「育成マネジメント」を毎日投稿。『人が育つ会社』を増やすため、現場で実践できる型と仕組みを紹介しています。→こちらから

ビジネスリーダーの書棚(読書会)

「ビジネスリーダーの書棚」
日曜の朝が楽しみになる。名著を通じてビジネスの知見を探究する読書会です。変化の激しい時代だからこそ、「賞味期限の短い、誰もが手にする本」ではなく、「時を超える本」を一緒に味わっていきましょう。毎月1回、日曜日に定期開催しています。→こちらから