【書籍公開】管理職が育てば、会社が伸びる「育成マネジメント」(はじめに)
管理職が育てば、会社が伸びる「育成マネジメント」(2025年7月3日出版)から、「はじめに」の原稿を無料公開します。
はじめに「管理職が育てば、会社は変わる」その一歩を踏み出すために
「管理職に任せているのに、現場が動かない」
「指示待ちが多くて、結局自分がフォローすることになる」
「管理職が成長し、部下が自律的に行動することができる」ようにしたい。
そんな悩みを抱える経営者の方へ。
この本は、あなたのために書かれた一冊です。
なぜ、管理職は育たないのか?
「部下を育てたい」という想いはあっても、現場はいつも忙しく、つい育成は後回し。
育て方が分からず、プレイングマネージャーとして日々奔走する。
そんな葛藤を、私はこれまで数多くの現場で目にしてきました。
しかし、管理職が育たないのは、気合や根性が足りないからではありません。
そこには、誰もが見落としがちな構造的な詰まりがあるのです。
研修をしても現場が変わらないのは、「学びと実務」をつなぐ橋渡しがないから。
「人材がいない」と嘆く前に、「育てる仕組み」が存在しているかを見直す必要があるのです。
そして何より、「育成の型」がない限り、育成は属人化し、再現できないのです。
私自身も、育てるとは何かを問い続けた
私自身、震災やコロナといった逆境の中で、「人を育てるとは何か?」を幾度となく問い直してきました。
そこでたどり着いた結論があります。
それが、本書でお伝えする 「育成マネジメント」 という考え方です。
キーワードは、「任せる」「育てる」「信じる」。
この3つを軸にしたマネジメントの仕組みがあれば、管理職は成長し、あなたのチームが変わり始めます。
育てる力は、今からでも身につけられる
本書は、単なる理論書でも、精神論でもありません。
現場で本当に使える再現性ある方法を、具体例とともに紹介しています。
第1章では、「管理職が育たない本当の理由」に光を当てます。
「能力不足」や「やる気のなさ」が原因なのではなく、そもそも「育てる方法」自体が会社に存在していない。
この事実に気づくところから、すべてが始まります。
育成を仕組みとして根づかせる3ステップ
本書では、以下のステップで、育成を会社に根づかせる道筋を示します。
第3章:「上司・部下・自分」の3つの視点で育成課題を見直します。
第4章:信頼されるリーダーの日常行動を具体化します。
第5章:「育成マネジメント」を仕組み化し、組織を動かす方法を示します。
育成マネジメントのサイクル
育成マネジメントとは、「任せる・育てる・信じる」の3つが相互に連動し、
成長のサイクルを生み出していくアプローチです。
• 信じることで、任せる準備が整い、
• 任せることで、経験の余白が生まれ、
• 教えることが、行動につながり、
• 育てることで、学びが定着する。
こうした連鎖の中で、管理職は「自ら考え、動き、チームを動かす力」を身につけていきます。
現場が変わる第一歩を、あなたの手で
本書では、PDCAの本質、率先垂範の力、そして信頼される行動習慣。
これらを支える小さな実践の積み重ねの意味を、事例やツールと共に紹介します。
特に注目していただきたいのが、「上司・部下・自分」の3視点マトリクスです。
このツールは、管理職の思考を整理し、行動変容を促します。
さらに、この視点を活用し、1on1で問いかけることで育成対話を深めることができます。
読み終えたとき、「うちでもできる」と思える本に
読者のあなたに、私が約束できることは一つです。
この本を読み終えたとき、あなたはきっと「自社でもやれるかもしれない」と思えるはずです。
あなたの「任せる・育てる・信じる」がチームを動かし、
そのチームが会社を動かす。
その変化は、確かに、管理職一人から始まります。
ページをめくるその手で、今こそ「管理職育成」という経営戦略を始めてください。
■目次
第1章:なぜ「管理職が育たないのか?」〜管理職育成の「詰まり」を解き明かす
現場のリアルな声から原因をあぶり出し、解決への糸口を探ります
問題1.「人を育てたいけど育て方がわからない」ジレンマ
問題2.「どう教えたらいいか分からない」現場管理者の悩み
問題3.忙しすぎて「育成どころではない」管理職の限界
問題4.「うちの会社には向いていない」病が育成を妨げる
問題5.「管理職候補がいない」本当の理由
問題6.なぜ「研修しているのに変わらない」のか?
第2章:危機の中で見えた「育てる力」の真価~「想定外」の連続が、私を育成の本質へと導いた
私自身の体験から見えた育成の本質を共有します
第3章:「上司・部下・自分」の3つの視点で育成課題を見直す
多面的な自己チェックで管理職の行動変容を促します
視点1.経営者から見た「任せられる管理職」とは?
視点2.部下から見た「頼れる上司」とは?
視点3.「学び続ける管理職」とは、どんな存在か?
「上司・部下・自分」の3視点で管理職を育てる
第4章:信頼されるリーダーが実践している日常行動
現場で使える具体的行動と信頼構築のヒントを紹介
行動1.部下との信頼関係は「日常会話」から始まる
行動2.率先垂範〜最も静かで強いリーダーシップ
行動3.PDCAが根づく組織には、育成が根づく
行動4.伝わるコミュニケーションの基本
第5章:「育成マネジメント」を仕組み化し、組織全体を動かす方法
属人化を防ぎ、再現可能な育成マネジメントの設計図
方法1.「任せること」で育成は始まる〜信じて任せ、責任と成長の好循環を生み出す
方法2.「成長を引き出す」部下指導のほめ方・叱り方
方法3.育成を加速させる振り返りの技術〜経験を学びに変えるマネジメント設計
方法4.育成を仕組みにする〜属人化しない人材育成法
第6章:あなたの疑問をスッキリ解決〜よくある悩みに答える 実践マネジメントQ&A
経営者・管理職の声に応える具体的な解決策
質問1.任せたいけど、部下がまだ未熟で不安です
質問2.部下がなかなか主体的に動いてくれません
質問3.自分が成長している実感が持てないのですが
質問4.上司・部下・自分、それぞれの視点で考えるのが難しい
質問5.OJTで教えているつもりなのに、成長が見えません
質問6.叱ると関係が悪くなりそうで、つい遠慮してしまいます
質問7.忙しくてPDCAを回す余裕がありません
おわりに:「信じて、任せて、育てる」その先に、あなたの会社の未来が動き出す