私の読書メモ

EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

「EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方」私の読書メモを紹介します。
著者:ダニエル ゴールマン 他

EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方


 目次

「EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方」
• 1.本書からピックアップ

• 2.感想
• 3.この言葉の活かし方
• 4.まとめ
• 5.私の読書メモで紹介した本

 1.本書からピックアップ

IQの高いリーダーの下では、メンバーは互いに心を許し合って、アイディアを共有し、学び合い、強調して決断を下し、仕事を成し遂げる。メンバー同士が感情レベルで結ばれていると、仕事がより意味のある目標になる。仕事がうまくいったときの高揚した瞬間を共有し合う喜びは誰もが知っている。こういう気持ちに後押しされて、集団は1人では到底不可能な目標を達成することができる。そうした絆を作り上げることができるのが良い気の高いリーダーなのだ。

自己認識と自己管理の次にリーダーに求められるのは、社会認識(言い方を変えれば共感)だ。共感の原型は扁桃体及び扁桃体につながる神経回路から走っている。扁桃体は、他人の表情や声から感情を読み取り、常に自分の感情を相手に同調させようとする働きを担っている。

15年後の自分は? 今から15年後に自分が理想の人生を歩んでいるとしたら、どこに腰を下ろしてこの本を読んでいるだろうか?どんな人たちと一緒にいるだろうか?周囲の様子はどんな1日を送り、どんな1週間を過ごしているだろうか?実際に実現できそうかどうかを心配する必要は無い。ただイメージを膨らませ、その中に自分を置いてみるのだ。

チームワークと協調 チームプレイに優れたリーダーは、友好的な協調関係を作り上げ、自分自身も尊重と援助と強調の模範を示す。このようなリーダーは、周囲を巻き込んで、全体の目的のもとに積極的・熱狂的コミットメントを喚起し、集団の一体感を築き上げる、また、仕事上の義務を超えて、親密な人間関係を育成強化するために時間をかける。

 2. 感想

感情こそがリーダーシップの根幹である

  • 本書の核心は、「感情こそがリーダーシップの根幹である」という提言にある。従来のリーダー像は、論理的思考力や決断力に優れた存在として描かれることが多かった。しかし、ゴールマンはそこに「EQ(心の知能指数)」という新たな軸を加え、リーダーとしての影響力は“感情”の扱い方によって決まると断言している。
  • なかでも重要なのは、リーダー自身の「自己認識」「自己管理」から始まり、「共感力」「関係構築力」へと広がっていく一連の能力群である。これらは単なるスキルではなく、職場の空気やメンバーの心理状態に直接影響を与える“感情の伝染”を通じて、チームの成果そのものを左右する。
  • つまり、「感情を読み取る力」ではなく、「感情を扱い、育む力」がリーダーシップの新たな柱として提示されている。これは、単に共感的になるという話ではない。職場における実効性──「目標達成」「意思決定」「協働」の質を高めるために、感情をどう活かすかという問いに真正面から向き合った内容であり、経営やマネジメントに携わる者にとって極めて実践的かつ本質的な示唆である。

 3. この言葉の活かし方

「感情の連鎖」でチームの空気を整える

チームミーティングの冒頭で、リーダー自身が穏やかで前向きなトーンで話し始めるだけで、参加者の表情が緩み、対話の質が変わる。感情は無意識に伝染するため、リーダーが安定感や信頼感を持っていると、メンバーも自然と安心して発言できる空気が生まれる。

実践例

・雑談やちょっとした労いの言葉を交える
・メンバーの表情や声のトーンに意識を向ける
・ポジティブな事例や成功体験を共有する
『感情の空気をつくるのは、常に最初に話す「あなたの感情」である。』

「共感力」は観察から始まる

ある部下の行動が急に鈍ったとき、「なぜ動かないのか」を責める前に、その背景にある感情を観察し、問いかける姿勢を持つ。「最近、少し元気がないように見えるけれど、何か気になっていることある?」という言葉だけでも、信頼関係は大きく変わる。

実践例

・表情・姿勢・声のトーンから感情を読み取る
・気づきに言葉を添えて関心を示す
・評価より「理解」に重きを置く対話を心がける
『共感とは「気づいているよ」と伝える力であり、それ自体が動機づけになる。』

「未来イメージ」で自己の軸を整える

「15年後の自分」を思い描く問いは、進むべき方向を直感的に整理する手助けになる。たとえば、ビジョン策定やキャリア面談でこの問いを使えば、言葉にしにくい価値観や願望が浮かび上がってくる。

実践例

・「場所」「人間関係」「1週間の過ごし方」を具体的にイメージする
・紙に書き出して視覚化する
・その未来に近づくための小さな習慣をひとつ決めてみる
『想像力は、最も深い意思決定のツールである。』

「協調の模範」をリーダー自らが示す

プロジェクトの進行中に、誰かが困っていたら自ら声をかけたり、他部署との連携を率先して調整する。このような行動を目に見えるかたちで繰り返すことで、メンバーにも自然と「助け合い」の文化が広がる。

実践例

・「困っている人を放っておかない」という基準をつくる
・チーム全体の目的と役割を日常的に言語化する
・一体感を育てるための“日常の儀式(朝礼、週報、雑談など)”を整える

 4.まとめ

リーダーとは、感情の場を設計できる人間である。

本書は、組織の成果の鍵を握るのはリーダーの知識や技術だけではなく、「感情への働きかけ」だという事実を突きつけます。リーダーのEQが高まることで、チームの信頼関係、学習力、創造力、そして実行力が格段に向上します。

「優れた感情のリーダーシップ」は、学べる・育てられるスキルです。だからこそ、今この瞬間からでも、感情を味方につけるマネジメントは始められます。

 

 5.「私の読書メモ」で紹介した本

EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方(Amazon)
全米トップ企業の8割が導入!話題のEQ理論で、優れたリーダーの資質を徹底解明。
社会で成功するために重要なのは、IQではなくEQ(こころの知能指数)だ――IQ神話を覆した大ベストセラー『EQ~こころの知能指数』の著者、ダニエル・ゴールマン博士が、こんどはビジネスで成功するために最も重要な要素、リーダーシップの本質を解き明かした最新作の登場です。アメリカでは今年3月に刊行され、USAtodayなど各メディアの絶賛を浴び、たちまちベストセラーリスト入りした話題作です。
本書は3部構成。まず、第1部「六つのリーダーシップ・スタイル」で、ゴールマン博士は、同僚よりもはるかに高い業績をあげるスター社員3800人を徹底調査し、彼らの共通項を探っていきます。その結果、彼らが6通りの「EQリーダーシップ・スタイル」を状況に応じて使い分けていることが判明。それは――

◆ビジョン型――共通の夢に向かって人々を動かす
◆コーチ型――個々人の希望を組織の目標に結びつける
◆関係重視型――人々を互いに結びつけてハーモニーを作る
◆民主型――提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る
◆ペースセッター型――難度が高く、やりがいのある目標の達成をめざす
◆強制型――緊急時に明確な方向性を示すことで恐怖を鎮める

つづく第二部「EQリーダーへの道」では、個人のEQを高め、「EQ型リーダー」になる方法を具体的に伝授。第三部「EQの高い組織を築く」では、さらに一歩進んで、組織や集団全体のEQを高めていくための手法件をさぐります。欧米有名企業の実例を豊富に盛り込んだ、実践的かつ画期的なリーダーシップ論です。(出版社より)

大場宣英「育成マネジメント」
人が育つ職場をつくるコンサルタント|著書『管理職が育てば、会社が伸びる 育成マネジメント』 「任せる・育てる・信じる」あなたのチームが動き出す |『人が育つ会社』を増やすため、現場で実践できる型と仕組みを発信 |大場コンサルティングオフィス代表 |中小企業診断士|

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