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競争そして抗争

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牛丼チェーン3社が11日より値下げ競争を繰り広げている。
吉野家に行ってきた。


いずれも牛丼並盛りが、
業界3位の松屋は業界最安値の240円(320円=>240円)
業界首位のすき家は250円(280円=>250円)
創業111周年の吉野屋は270円(380円=>270円)
期間限定のキャンペーンとはいえ、牛丼の価格競争は一段と展開した。
昨日、飲食店のコンサルティングを行ったが、
開口一番の話題がこの牛丼チェーン各社の値下げの話しであった。
皆、この戦いの行く末を見守っている。
昔、菅原文太主演の任侠映画があったが、
ここまで価格競争が激しくなってくると、
“競争”を超えて”抗争”の域になってきているようだ。
互いに生存を目指してしのぎを削る、業界内における勢力争いが益々激しい。
消費者としては”財布に優しいプライス”は歓迎だが、
だんだんと牛丼のクオリティが心配になってくる。
今日訪れたこの牛丼店はオフィス街にあるため、昼時の利用者はサラリーマンが中心だ。
なかでも中高年層が多かったように思う。
皆、どんぶり片手にガシガシと飯をかき込んでいる。
牛丼チェーン3社のうち、価格は吉野家が一番高いが、
肉の柔らかさと味付けなど頭一つ抜きんでているように思われる。
各社のプライスは、ギリギリの線になっているのではないか。
話は変わるが、起業予定者の経営相談を行うことがあるが、
“低価格”を売りに事業を立ち上げようとする方もいらっしゃる。
話を聞いてみると、コスト戦略は何もなく、
自らの利益を削って低価格を実現しようとしているという笑えない話がある。
相談者は武器を持たずに戦場に出ようとしていたことに気づくわけだが、
このようなケースは意外と見受けられる。
戦略を勉強すると、ポーターのコストリーダーシップ戦略は基本戦略として登場する。
牛丼チェーン3社は、この戦略を持って競争を繰り広げているわけだが、
競争もここまで激しさを増すと、どれくらいの利益が確保できているのだろうか。
正に、消耗戦に突入している。
痛い戦いだ。
勝ち名乗りをあげた企業も疲弊し、戦い終わって真の勝者はいなかったとなりかねない。
吉野家の広告を見ると、
『111周年記念「最後の」謝恩セール 牛丼並盛り270円』と書いてある。
この「最後の」というところに吉野家の心情が表れているのではないか。
価格抗争(競争)はこれで「最後に」したい、と。
そしてそれは牛丼チェーン各社の本音にもオーバーラップする。

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