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千年働いてきました

今日はお勧めの本のご紹介です。

老舗企業に限らず、すべての企業が元気になるための着眼点です。

儲かればいいと思って、本道からはずれたらあかん。

どんな商売でも、なぜそういう商売をするのかという説明がつかんといかんわね。

蚊谷 八郎(千年、働いてきました)

 

野村進氏の「千年、働いてきました~老舗企業大国ニッポン」には、

元気な老舗企業の5つの共通項が紹介されています。

これらは老舗企業に限らず、すべての企業が元気になるための着眼点です。

野村氏といえば、「NHK知るを楽しむ~長寿企業は日本にあり」にも登場していましたね。

 

1.同族に固執しない

『血族に固執せず、企業存続のためなら、よそから優れた人材を取り入れるのを躊躇しない。「ほんとの土着で、そこに生まれ育ったら、古くからあるものをなかなか変えられませんわね。よそから来ると、何かせなあかんということで変えられるんです。」 』

これは私が知りうる組織を見ていても腑に落ちるところがあります。

同質を重んじ、異質を排除しようとする組織はやがて“ゆでがえる組織”という組織の硬直化に直面することも少なくありません。

「同族に固執しない」は、異なる価値観も進んで受け入れるということなのでしょう。

 

2.柔軟性と即応性に富んだ動の組織

『老舗というと、よく言えば「不動の」、悪くいえば「停滞した」“静”のイメージがあるけれど、実際には柔軟性と即応性に富んだ“動”の組織なのである。』

環境変化に対応できない“静”の企業は、いずれ時代の波に飲み込まれてしまうことでしょう。

本書に登場する企業はいずれも伝統と環境適応を調和させることのできる動の組織ということがいえます。

 

3.頑固に守り抜く

『時代に対応した製品を生み出しつつも、創業以来の家業の部分は、頑固に守り抜いている。ここだけは譲れないという代々受け継がれてきた意思のようなものが感じられる。』

これを今風にいうと、ミッションステートメント経営ということになるのでしょう。

企業の基本的価値観ともいえる部分です。

環境適応するため戦略は変えていかなければなりませんが、

基本的価値観は時代の変化にあっても守り抜く意思を持つ必要があります。

 

4.分をわきまえる

『「儲かればいいと思って、本道からはずれたらあかん。どんな商売でも、なぜそういう商売をするのかという説明がつかんといかんわね。説明のつかん商売をしたら、絶対潰れますわ。」 蚊谷 八郎』

本業以外に力を分散してしまうのは考えものです。リスク分散とは違う次元の話しです。

レンズを使って太陽の光を一カ所に集めると火をおこすことができます。

企業も何に焦点を絞るのかという“本道”が明らかになって初めて組織に炎をおこすことができます。

 

5.町人の正義の実践

「売り手と買い手とが、公正と信頼を取引の基盤に据えてきたのである。」町人の正義は老舗企業にこそ脈打っているのではないか。

最近、携帯電話を新しい機種に変えましたが、シャツの胸ポケットに入れても違和感が少ないほど薄く、軽くなっています。

通話意外にもテレビ、音楽、写真や動画も撮影も当たり前。なんとOCR機能まで搭載されています。

時代の最先端を行く道具、この機械の技術を支えているのは、創業100年以上の老舗企業の技術なのです。

 

あなたが経営者なら、会社の寿命は何で決まるか理解していますか?

また、あなたの会社が未来の世代に引き継いでいく「企業のDNA」が何か明確になっているでしょうか?

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コメント

  1. 柱となる部分があってこそですね。
    その部分がないとどんどん壊れてくるものですしね。
    今だけの現状に満足することなく、
    先を見据えてですね。
    応援くりっく!ぽちっ

  2.  マチスケさんこんにちは
    1000年なんてすごい! 平安時代から?と早速注文しました。
    ここ駒ヶ根市にも 1603年 ちょうど江戸幕府スタートの年に創業した企業“養命酒”があります。
    工場見学は一般もOKなので 遊びに行ったのですが・・・
    江戸時代の“広告”などもあって近代的な生産設備の中に歴史を感じます。

    • ハッピー
    • 2008年 3月 28日

    私もこの本を読みました。
    読みながら「へぇ~」の連続でしたよ。
    老舗となる企業は、ダーウィンの進化論?変化論?と、同じなのだなぁ~と思いました。

  3. 福岡笑顔整体 健康の知恵袋:院長 さん
    変化に適応しつつ、ここだけは譲れないという意思を持っていたということですね。コア・ミッションとは何か、原点を忘れてはなりませんね。
    ありがとうございます。
    acbさん
    本書を読んで世界最古の会社が日本にあるということを知りました。創業1400年、飛鳥時代だそうです。技術を伝承しつつ革新が行われてきたのですね。これまで何度も危機に直面してきたようですが、周囲の応援の力が大きいですね。
    ありがとうございます。
    ハッピー さん
    読みましたか。本書もよかったですが「知るを楽しむ」の方もお勧めです。番組を見る⇒言葉を辿る、これができるのがいいですね。
    ありがとうございます。

  4. こんばんは。
    読んでみようかと思っていた本です。
    ますます読みたくなりました。

  5. こんにちは、ブログランキングから来ました
    1.同族に固執しない
    2.柔軟性と即応性に富んだ動の組織
    3.頑固に守り抜く
    4.分をわきまえる
    5.町人の正義の実践
    ですか~
    すごいですね、特に2.なんて
    なかなか簡単にできることじゃなさそうですが、
    ちょっと本屋さんで探してみます。

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